大腸ポリープについて
大腸ポリープは腫瘍性と非腫瘍性に分けられます。腫瘍性ポリープは悪性腫瘍(がん)と良性腫瘍、非腫瘍性ポリープは炎症性等、様々な種類があります。
腫瘍性ポリープは最初からがんとして発生するものと、良性腫瘍の腺腫が悪性化してがんになるものがあり、後者が9割を占めると言われています。そのため、定期的に大腸カメラを行い、ポリープの段階で切除することが大腸がんを予防する上で非常に重要と考えられます。
大腸ポリープの症状
初期の大腸ポリープは自覚症状がほとんどありません。症状が現れるのは、肛門に近い場所にできた場合やサイズが大きい場合で、血便や粘液の付着した便が出たり、便潜血反応が陽性になることがあります。
便潜血検査は、痔の影響で陽性となることも多く、一方で軟らかい便が通過する場所にできた場合や、サイズが小さい大腸がんでは陰性になることも多いため、大腸カメラでの精密検査が必須となります。
多くのケースは、こうした症状が現れることなく経過し、進行した大腸がんで発見されることになります。従って大腸がんリスクが上昇し始める40歳以降は、症状がなくても定期的な検査をお勧めします。
大腸カメラは微小な大腸ポリープや
早期大腸がんの発見が可能
大腸カメラ検査は、大腸の範囲に存在する粘膜を細かく観察出来、小さく見つけづらい大腸ポリープや早期大腸がんを発見することが可能です。
また、当院では特殊光や画像処理、拡大などの高度な機能を搭載した最新の内視鏡システムを導入しており、繊細な病変を見つける事が出来ます。
早期大腸がんや微小な大腸ポリープを場所、サイズ、隆起や平坦などの形状にも左右されずに発見出来、ポリープに関しては、日帰り手術を行い取り除く事で処置が完了します。なお、取り除いた組織は確定診断をするために病理検査で扱います。
大腸ポリープ切除の
メリット
大腸カメラ検査では、粘膜を直接かつ、細かく詳細に観察することが可能です。病変を取り除くなどの処置を行う際は、内視鏡スコープの先端より器具を伸ばして対応します。大腸カメラ検査で大腸ポリープが見つかれば、その場でポリープ切除を行う日帰り手術が可能です。下剤を服用や、手術前の食事制限が1度限りで済みます。
また、日帰り手術ですので入院が必要なく、手術当日に帰宅して頂いて問題ありません。ポリープを早期に取り除くことは、大腸がんが深刻な段階まで成長するのを前もって防ぐ事にも繋がります。
万が一、ポリープが多発している場合、もしくはポリープのサイズが大きい場合は、入院を視野に入れた手術を考慮しなければなりません。その際は当院の連携している高度医療機関をご案内します。
大腸ポリープ切除に
用いられる手法
ポリペクトミー
カメラの先からループ状のスネアという電気メスを広げ、ポリープの根元にひっかけ、徐々にスネアを締めながら電気を流して焼き切る手法です。
ポリープの切除で一般的に行われている手法です。
コールドポリペクトミー
近年、通電せずスネアで引きちぎるこの切除方法が、切除後の出血や穿孔等の合併症が少ないことがわかり、広く普及してきました。
小さなサイズのポリープや抗血栓薬が中止できない方には適した方法です。
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
スネアを掛けにくい平坦な形状のポリープに用いる手法です。ポリープの下に生理食塩水を注入してポリープを持ち上げ、スネアを掛けて高周波で通電して焼き切ります。
生理食塩水がクッションとなり、深部に通電されることが無いため、穿孔が起きづらくなります。
切除後の注意点
侵襲が少ないポリープ切除は日帰り手術で対応可能ですが、手術後に穿孔や出血が起こる危険性はわずかながらございます。そのため、検査後の日常生活において以下の内容を制限して頂く必要があります。
運動、入浴、刺激物を含む食事、飲酒、暴飲暴食、長距離移動は2日~7日間程度行わないようにしてください。患者様の状態や病変、切除方法により、制限内容や期間は異なります。